東京高等裁判所 昭和26年(う)4510号 判決
原審は被告人等並びに原審相被告人高寺嘉邦について判示第一乃至第二回の公職選挙法違反の事実を掲げ、これについて各被告人の原審公廷における供述其他原判決挙示の各供述調書、答申書及び押収物の各存在を証拠の標目として列記していることは原判決書により明白である。而してその標目の証拠と原判示事実とを対比すると事実が複雑多岐に亘つているのと標目が多数であるため、どの証拠でどの事実が認められるかは不明である。即ち原審の証拠説明では事実と証拠との形式的関連が示されていないのであつて、これでは法の要求する証拠の説示たるに不十分である。されば原判決には刑訴法第三三五条に違背する所論違法があり論旨は理由がある。
原判決は既に此の点において同法第三九七条による破棄を免れ得ない。